ギャザリング(正式にはPlants gathering®)とは、根付きの植物を束ねるように組み合わせ、ひとつの作品として表現する園芸手法です。

寄せ植えとの大きな違いは、根鉢を整え、小さな花束(ユニット)を作りながら組み合わせていくことです。

一般的な寄せ植えが、植物が育つことで全体の姿が整っていくのに対し、ギャザリングは作ったその時から華やかな姿を楽しめるのが特徴です。

さらに、根付きの植物を使うため、その後も植物の変化を楽しめます。「すぐきれい」と「長く楽しめる」を両立しているのが特徴です。

ただ、たくさん植えるのではなく、それぞれの植物の特徴を見ながら組み合わせ、お互いのよさを引き出していきます。

Plants gathering®(プランツギャザリング)の醍醐味は、なんといっても植物と植物の調和です。花苗やリーフが互いを引き立て合うことで、ひとつの作品としてより美しく輝きます。

寄せ植え・ギャザリング・フラワーアレンジの違い

寄せ植え

花創人はなそうにんガーデニング教室の、育てながら楽しむ一般的な寄せ植えの作品例。百日草ジニア、ラミウム、ブルーサルビア、ネペタ(キャットミント)などの花苗や植物を鉢に植え、成長とともに姿の変化を楽しむ寄せ植えで、Plants gathering®(プランツギャザリング)との違いを紹介する比較画像です。

小さめの苗を少し間隔をあけて植え、植物が育つことで完成していきます。
時間とともに株が大きくなり、全体の姿が整っていきます。

ギャザリング

花創人はなそうにんガーデニング教室のPlants gathering®(プランツギャザリング)の作品例。フリルパンジーやスイートアリッサムなどの根付きの花苗を花束のように組み合わせ、作ったその時から完成された美しさを楽しめるギャザリングの特徴を紹介する比較画像です。

作ったその時から華やかで、植物どうしが美しいハーモニーを奏でます。
根付きの植物なので、その美しさを長く楽しみます。

フラワーアレンジ

花創人はなそうにんガーデニング教室の、切り花を使ったフラワーアレンジメントの作品例。黄色の薔薇、雪柳、こでまりなどの切り花を組み合わせた華やかなフラワーアレンジで、寄せ植えやPlants gathering®(プランツギャザリング)との違いを紹介する比較画像です。

切り花を使い、完成したその時の華やかさを楽しみます。
花の向きや高さ、色の組み合わせで、短い時間の中に美しさを表現します。

育ち方・楽しみ方の違い

※左右にスワイプしてご覧いただけます

項目寄せ植えギャザリングフラワーアレンジ
きれいになるまで植物が育つにつれて全体が整う作った時から華やかで、すぐに楽しめる作った時がいちばん華やか
きれいに楽しめる期間
植物の育ち方や花期によって変わる
作った時から1〜3ヶ月ほど楽しめる約1週間ほど楽しめる
楽しみ方植物が育ち、姿が変わっていく過程を楽しむ植物同士の調和と、作品全体の美しさを楽しむ完成した時の華やかさを楽しむ

※楽しめる期間は、植物の種類・季節・置き場所・管理方法などによって異なります。

寄せ植えは育つ過程を楽しみ、フラワーアレンジは完成した時の華やかさを楽しみます。ギャザリングは、作った時から華やかな姿を楽しみながら、その後の植物の変化も楽しめるのが特徴です。

なぜギャザリングは作った時から美しいの?

ギャザリングが作った時から美しく見えるのは、たくさんの植物を入れているからではありません。
植物の性質や育ち方を見ながら下ごしらえをし、それぞれの良さが引き立つように組み合わせているからです。

ギャザリングは、植物で奏でるオーケストラ

私はよく、ギャザリングをオーケストラにたとえます。
大きな音も小さな音も、それぞれが主張しすぎるのではなく、互いを引き立てながら一つの交響曲をつくります。
植物も同じで、主役だけでなく脇役があるからこそ、作品全体が美しく見えます。

美しさの土台は、健全な植物選び

弱った苗は使わず、葉や茎、根の状態を見て、元気で健全な植物を選びます。さらに、作りたいデザインに合わせて、背の高い植物、横に広がる植物、こんもりとボリュームの出る植物、垂れ下がる植物など、それぞれの特徴を見ながら組み合わせます。

また、植物同士の相性も大切です。植生がまったく同じ植物だけを集めるのではなく、それぞれの特性を理解したうえで、共通して心地よく育てられる“最大公約数”を見つけながら組み合わせています。

美しさを支える、植物の下ごしらえ

ギャザリングでは、ユニット(小さな花束)を組むために、植物の根鉢(根の部分)を崩して土の量を減らします。根そのものは、できるだけ残すように扱いますが、作業の中でどうしても根が切れます。

ここで大切なのが、「飲む水」と「出る水」のバランスです。

根が減ると、植物が根から吸える水の量も一時的に少なくなります。そのまま葉がたくさん残っていると、葉から水分が出ていく「蒸散」とのバランスが崩れ、植物が萎れやすくなります。

そこで、植物の状態を見ながら、傷んでいる葉や不要な枝葉を整理し、葉から出ていく水分を減らします。

下葉を整理するのには、もう一つ理由があります。複数の植物を組み合わせてユニットを作る時、葉が多すぎると植物同士がぶつかって、きれいに組み合わせることができません。

たくさん植えているから蒸れるのではなく、1ポットでも葉が込み合って風が通らなければ蒸れることがあります。ユニットを組み合わせた時に、それぞれの葉が押しつぶされず、ふんわりと気持ちよく広がり、植物の間を空気が通るようにすき間を作ることを大切にしています。

ギャザリングは、パズルのように組み立てる

ギャザリングは、パズルのように組み立てていきます。器にユニット(小さな花束)を挿し込み(植え込み)ながら、その場所や隣の植物とのつながりを見て、次の「ピース」となるユニットを作っていきます。

花の向きや高さ、葉の形や広がり、枝の流れ、色や質感などを見ながらユニットを作り、隣の植物と自然につながるように組み合わせます。主役になる花だけを見るのではなく、葉や枝の動き、脇役になる植物まで含めて、全体の流れを整えていきます。

そして、見えている花や葉の部分だけでなく、根鉢の形や大きさも大切な「ピース」です。上の花や葉がきれいにつながっていても、根鉢の部分が合わなければ無理なく収まりません。花・葉・枝の見え方と根鉢の形、その両方を見ながら、植物同士が押し合わず、葉がふんわり広がり、空気が通るように組み合わせていきます。

根鉢は、植物を見ながら加減する

根鉢は、ただ小さくすればいいわけではありません。

どこまで崩せるかは、その植物の種類、季節、苗の元気さによって変わります。だから、毎回まったく同じように扱うのではなく、その時の植物の状態を見ながら加減します。

ここは、経験を重ねながら身につけていく部分です。

一鉢にたくさん植えて大丈夫?

Plants gathering®(プランツギャザリング)は、ただたくさんの植物を詰め込む寄せ植えではありません。

植物の性質や育ち方、根の量、配置のバランスを見ながら組み合わせていきます。さらに、根鉢や枝葉を整え、植物同士が押し合わず、葉がふんわり広がり、空気が通るようにします。

「たくさん植えてかわいそう」と感じられる方もいらっしゃいますが、植物は置かれた環境に順応しながら育っていきます。それぞれの特性を見ながら、無理なく育てられるように組み合わせています。

植物の楽しみ方はひとつではありません。
花創人では、それぞれの方に合った形で、植物を楽しんでいただけたらと思っています。

ギャザリングは、植物同士がなじみ、つながり、調和するように組み上げることで、作ったその瞬間から美しく、その後の変化も楽しめる寄せ植えです。

ギャザリングという名称について

「ギャザリング」は、一般社団法人 JAPAN plants gathering society(JPGS)が、第16類・第31類・第41類・第44類で登録している商標です。

※登録区分:第16類(印刷物など)、第31類(花・苗・植物など)、第41類(教育・講座・セミナーなど)、第44類(園芸サービスなど)

一般の方がご自身で作品づくりを楽しむことはできますが、「ギャザリング」の名称を使って花苗や作品の販売、レッスン・講座、園芸サービスなどを行う場合は、JPGSの会員登録が必要です。

なお、現在の一般社団法人 JAPAN plants gathering societyと青木英郎氏との関係はございません。

「ギャザリング」という言葉と技法の歴史

「ギャザリング」という言葉は、現在のPlants gathering®が広まる以前から、園芸の分野で使われていました。

1993年3月14日に文化出版局から発行された、難波光江先生の著書『英国風 花のギャザリング―鉢やプランターで楽しむ花の寄せ植え』では、すでに「ギャザリング」という言葉がタイトルや章名に使われています。

この本では、多種類の植物を一鉢に組み合わせ、完成した時から豊かな景色を楽しむ考え方が紹介されています。一方で、植え方は基本的に従来の寄せ植えで、現在のPlants gathering®に見られるような、根鉢を細かく扱い、複数の植物をユニットとして組み合わせて植え込む技法とは異なります。

その後、青木英郎氏は自身の著書の中で、独自に発展させてきた寄せ植え技法を「あおき式ギャザリング」と名づけたのは2000年頃だったと記しています。

現在のPlants gathering®は、根付き植物の根鉢を整え、複数の植物をユニットとして組み合わせ、それを器の中に挿し込みながら作品を作っていく技法として発展してきました。

実際のギャザリング制作を見る

花創人はなそうにんガーデニング教室では、ギャザリング作品の制作風景をYouTubeライブなどで紹介しています。植物の下ごしらえ、ユニットの組み方、挿し込み方、完成までの流れを、実際の制作を通してご覧いただけます。

ギャザリングを楽しんでみませんか?

花創人はなそうにんガーデニング教室では、初めての方限定の体験レッスン、趣味として楽しめる1Dayレッスンをご用意しています。

体験レッスンは、初めての方に花創人のレッスンを知っていただくための1回限定のレッスンです。

もっとじっくり習いたい方には、テクニカル・ディプロマレッスンをご案内しています。

豊富で良質な花苗の中から、お好きな花を選んでいただけるのも花創人のレッスンの楽しさです。

植物の扱い方や組み合わせ方、作ったあとの管理方法まで、実際に手を動かしながら学んでいただけます。

ギャザリング作品をオーダーしたい方へ

ご自分で作るのではなく、完成したギャザリング作品を楽しみたい方には、オーダー制作も承っています。
ご自宅用はもちろん、開店祝い・新築祝い・誕生日などの贈り物にもご相談いただけます。
植物の状態や季節、置き場所、ご予算などを伺いながら、一点ずつ制作しています。

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